4000万円の家を買った「年収800万夫婦」が  その6

編集長 松尾 忠

2022年12月01日 07:05

◆こうなってしまった最大の要因は、マンション購入時に頭金なしのフルローンで借りてしまったことです。一般的に新築住宅は買った途端に中古になり、価値が2割程度下がると言われますが、仮にそうであったとしてもローン総額の2割以上の頭金を用意していれば、オーバーローンにならずに済んだかもしれません。しかし陽介さんも美紀さんも住宅を購入する際に、離婚して返済途中で売却することなど考えもしなかったのです。

 なお、頭金を用意できなかった場合でも、余裕があるときに繰り上げ返済しておいてローン残高を減らすことができれば、オーバーローンの対策になります。


 もし売却せずにどちらか一方が住み続ける場合は、住宅ローンを借り換えて住む人の単独名義にするという方法も考えられます。

 そうすれば所有権の共有問題を解消できますし、相手は連帯保証人から外れることもできます。

 ただしこの方法も現実には簡単ではありません。なぜならペアローンは夫婦がそれぞれも収入に基いて別々に住宅ローンを組むため、単独でローンローンを組むよりも借入可能額の合計を増やせるメリットがあります。

 が、逆に言えば単独では返済が困難な額を借り入れている可能性も高いからです。