2022年12月07日
プロ野球選手から「公認会計士」に・・・ その4
◆「これまで机に長時間向かうという経験をやってこなかったので苦労しました。宅配便のバイトもしていたので、勉強しようと思ってもウトウトしてしまうんです。長時間勉強しているとやっぱり息が詰まってくるので、気分転換で飲みに行くぞ、みたいなこともありました。そういうことを繰り返していて。一般的に思われるような猛勉強は最初から始まったわけではありません」。
スポーツへの恩返し
結果はすぐには出なかった。3年目も5年目も試験に落ち続けた。7年目には心が折れかけたという。
「会計士試験には短答式と論文式という二段階があるのですが、短答式試験には”09年に合格したんです。
そうすると論文式というものを、その年を含めて3回、単分式を受けなくても受けられるチャンスがもらえるんです。
3年間、そのチャンスがあるので、さすがにその3回で多くの人が受かっていく。
しかし、私は残念ながら合格できなかった。そうすると、また短文式を受けなければいけない。もう1回、そこからクリアするのはちょっときついかなと思ったんですね。そのときまでに、会計士はダメでしたけど、日商簿記検定の1級は合格していましたし、税理士試験の簿記論という科目は受かったりして、なにも成果が残っていないわけではなかったんです。
目に見える成果は出ていた。なのでそれを生かしてコンサルティングとか、別の道、会計士にじょだわらなくても他の道に行けるんじゃないかなと思ったので、そっちに逃げようとしていました。
それをとどまらせてくれたのは、当時の彼女から『こんな中途半端なところで諦めるんだったら、この先、中途半端な人生しか待っていないよ。諦めないで、やり切らないとダメ』と言われたことでした。僕が逃げようとしているのを見透かしていたんでしょうね。強い言葉で叱咤激励をしてくれたので。逃げたらダメだなって感覚で、もう1度、チャレンジしょうって」。
こうして勉強を始めて9年目に、ようやく会計士試験に合格する。
「自分がプロ野球界で初めて会計士という異色なキャリアを描くことによって、『こんな道もあるんだ』と示すことができたと思っています。また、会計士として専門的な知識を持ちつつ選手としての経験がある人はいないので、プロ野球選手のキャリアにおけるサポートができるようになれればと考えています。
だからこそ、スポーツを産業として全体的に盛り上げていきたい。引退後の選手のキャリアについて考えなければ、裾野がどんどんしぼんでいってしまう。会計士かつ元プロ野球選手として、単純に選手のキャリアだけじゃなくて、産業全体とそて考えなければいけいちと思います。そういう目線でスポーツ選手のキャリアを捕らえられる人って、あまりいないんじゃないかなと。スポーツ界への僕なりの恩返しをしようと思いを持って今、活動しています」。
*週刊現代(講談社)
スポーツへの恩返し
結果はすぐには出なかった。3年目も5年目も試験に落ち続けた。7年目には心が折れかけたという。
「会計士試験には短答式と論文式という二段階があるのですが、短答式試験には”09年に合格したんです。
そうすると論文式というものを、その年を含めて3回、単分式を受けなくても受けられるチャンスがもらえるんです。
3年間、そのチャンスがあるので、さすがにその3回で多くの人が受かっていく。
しかし、私は残念ながら合格できなかった。そうすると、また短文式を受けなければいけない。もう1回、そこからクリアするのはちょっときついかなと思ったんですね。そのときまでに、会計士はダメでしたけど、日商簿記検定の1級は合格していましたし、税理士試験の簿記論という科目は受かったりして、なにも成果が残っていないわけではなかったんです。
目に見える成果は出ていた。なのでそれを生かしてコンサルティングとか、別の道、会計士にじょだわらなくても他の道に行けるんじゃないかなと思ったので、そっちに逃げようとしていました。
それをとどまらせてくれたのは、当時の彼女から『こんな中途半端なところで諦めるんだったら、この先、中途半端な人生しか待っていないよ。諦めないで、やり切らないとダメ』と言われたことでした。僕が逃げようとしているのを見透かしていたんでしょうね。強い言葉で叱咤激励をしてくれたので。逃げたらダメだなって感覚で、もう1度、チャレンジしょうって」。
こうして勉強を始めて9年目に、ようやく会計士試験に合格する。
「自分がプロ野球界で初めて会計士という異色なキャリアを描くことによって、『こんな道もあるんだ』と示すことができたと思っています。また、会計士として専門的な知識を持ちつつ選手としての経験がある人はいないので、プロ野球選手のキャリアにおけるサポートができるようになれればと考えています。
だからこそ、スポーツを産業として全体的に盛り上げていきたい。引退後の選手のキャリアについて考えなければ、裾野がどんどんしぼんでいってしまう。会計士かつ元プロ野球選手として、単純に選手のキャリアだけじゃなくて、産業全体とそて考えなければいけいちと思います。そういう目線でスポーツ選手のキャリアを捕らえられる人って、あまりいないんじゃないかなと。スポーツ界への僕なりの恩返しをしようと思いを持って今、活動しています」。
*週刊現代(講談社)
Posted by 編集長 松尾 忠 at 11:33│Comments(0)